仮面夫婦

「俺、あなたをずっとずっと恨んでいました。正直、今も恨んでます。でも、あなたを恨むだけの復讐心だけの時間がもったいなくなりました。」



淡々と語る隆哉




でもね



私には分かるよ




心の痛みが





「母を殺したようなもののあなたを恨むことが、唯一の親孝行と思いました。でも、たった１度の人生で大切な人がで来て、幸せになりたいと思いました。その人が彼女です。」




「だからなんだ？」



「俺はもう１人の大切な人を亡くしました。俺と彼女の子です。もっとあなたをうらみました。でも、辞めます。彼女と幸せになるために、我が子の命を失った悲しみを恨みで晴らすなんてしないために。」




「、、、、、」




「あなたは恨む価値もない、寂しい人だ。そうなる前に、辞めます。」




言葉に傷つくのは隆哉の父じゃない



隆哉の方