ずっと前から知ってた。
遥葵が病気だって。
遥葵は言ってくれなかったけど、
たまたま昔遥葵の家に泊まりに行った時。
遥葵のお母さんとお父さんが話してるの聞いちゃったの。
まだ10歳だった。
しかも。
遥葵の病気は心臓病…………
まだ症状は軽くて運動しても平気だった。
けど高校3年生になって3カ月くらいしたある日。
遥葵は部活中に倒れた。
原因は過度の運動。
あたしはバスケ部のマネージャーで、その時の事をよく覚えてる。
「……やっぱりな」
「…え?」
「ずっと前から…知ってたんだろ?」
「………うん。10歳の時にたまたま聞いちゃって…ごめんね、遥葵」
「……いやいいんだよ。今日話そうと思ってたんだし」
「……そっか」
「じゃあ…な」
「え!?もうお家の前なの?」
「あぁ。…最後に…これ。クリスマスプレゼント。気に入るかわかんねぇけど…」
遥葵がズボンのポケットから取り出したのは、白い箱にピンクのリボンがついてる細長い箱。
「…かわいい…ね、遥葵開けていい?」
「あぁ。」
箱に入っていたのは半分欠けた星のマークがついたネックレス。と……
指輪。
しかも小さいけど本物のダイヤモンドがついてる。
「…遥葵…貰っていい、の?本物でしょ?」
「よくわかったな?…つけてやるよ」
「……うんっ」
――――チャラ……
遥葵の指が軽く首筋にあたる。
くすぐったいよ…遥葵。
「……うん。似合ってる。……き、綺麗だ」
「……ふふっ…ありがとう遥葵。ずっと、ずっと大切にするね」
「…お、おう!…姫衣も付けてくれよ。これ」
遥葵が渡したのは黒のあたしが貰った箱と同じ形のもの。
開けると半分欠けた星マークがついたネックレスと指輪。

