「奏多ってさ、絶対ハナコのこと好きだよね」

「へっ!?」



4時間目の体育。
お腹の虫と格闘しているところに、友達の沙希が言った。



まさかぁ。
と、返したあたしの頬はだらしなく歪んでいるだろう。




「だって、ハナコにしか話さないじゃん。他の女子が話し掛けても「あぁ」しか返さないんだよ」


沙希は奏多のぶっきら棒な言い方を真似して言う。
…全く似てないけれど、想像すると笑えた。



「告白しちゃえば?」

「いや!無理!無理でしょ!」

「なんで?両想いじゃん」


まくし立てるように言う沙希の顔は乙女だった。