キミの翼が羽ばたく時。

階段を上る途中。
「なぁ雫~ このかっけェ兄さんだれ?」
晃が私に寄りかかるようにして聞く。
「ん? お兄ちゃんだよ。」
「え…お前兄貴って……」と言いかけて晃は口ごもった。
私の家計のことを思い出したのだろう。
こう言うところは、晃には珍しく気を利かせていた。
「…それにしてもイケメンすぎじゃね~? あんなイケメン初めてみた~…」
晃がお兄ちゃんを見つめながら言う。
その瞳は輝いていた…。
とは言え、晃もイケメンに入っていたりする。
アホだけど一応モテているらしい。
でも彼女はいないけど…。
そして私ちは私の部屋に腰を下ろした。