その青年は背が高く、高校生くらいに見える。
優しい薄茶色の髪に、茶色く優しげな瞳。
この人が……お兄ちゃん…

私が動揺しつつ小さく手招きすると、お兄ちゃんは、私と向かい合わせの椅子に座った。
「初めまして、俺の名前は蓮美翼!
よろしくな。」
青年が優しく微笑みかける。

「はっ初めまして蓮美雫です…よろしくねっ」
私も一心に挨拶する。
そして小さな沈黙をはさんで、翼君が言った。

「え~と……その、雫って呼んでいい?俺のこと翼って呼んで良いから!
兄弟なのに初対面なんて、やっぱ珍しよな。」
翼がハハっと笑う。
「そうだねっえっと……翼!」
私は意外とフレンドリーなタイプだったため、緊張しながらも何とか会話をすることができた。
「あのさ、これから暮らす家なんだけど、俺のマンションに住むことになるけど、いい?」
翼は独り暮らしならしい。
「うん!いいよ、頑張ってお手伝いするね!」
私がグッと拳を握りしめて言う。
「お願いします~俺の部屋汚いから覚悟しろよ~」翼がニッと笑う。

「う゛っお客が来るんだからキレイにしといてよ~」
「自分からお客っていった~」
こんな調子で、早々と私と兄はすぐにうち解けた。