その瞬間、一瞬シンと教室が静まった。 「きゃぁぁぁぁ!」 「啓汰くんかっこいいよぉ!」 「一途な啓汰くんも大好きぃ」 だけど、すぐにさっきよりも大きな悲鳴が聞こえた。 “ごめん、 好きな子以外のチョコは受け取らないから” その一言が 私の心に突き刺さった。 結局、啓汰に渡すことはなく、自分の席へ戻った。 好きな子、いたんだ。 絶対、私じゃないじゃん。 チョコをカバンにしまって、重いため息をついた。