ある日の算数の時間


「ここは、こうで…こうなりますね。

では次の問題 川崎さん?答えてください」


あたし、川崎円。元気が取り得の小学6年生!

嫌いな科目は算数…なのに当たっちゃった(泣)


あたしは、とことこと黒板の前まで来た。

全然話しなんて聞いてなかったあたし。

とけるはずがない。


目の前にある字。

そして、シーンと静まりかえった教室&プレッシャー。

あぁ~~どうしよ… 全然分からない…

先生の方を見ると、「早く解きましょうね」と言わんばかりの顔で

こっちを見ている。


ええい! こうなったら当てずっぽで答えを書こう!!


カッカッ・・・―


あたしは、”9”と言う数字を書いた。


「まぁ、川崎さんすごいわ! 正解よ! これけっこう難しかったんだけど…

でわ皆さん、川崎さんに拍手を」

パチパチパチパチ


静まりかえっていた教室が一斉に明るくなった