『案内は、今日の放課後でいいからな。
あ、中島先生って言うんだけど、中島先生呼ぶだけでいいからな。』
と田中先生はそう言った。

そして今はその放課後。
コンコン
「失礼します。2年4組の倉内です。中島先生はいらっしゃいますか。」

すると中島先生らしき人が立ち上がって
「あ、はいっ!ぼ、僕です」
とこっちに小走りできた。

「はじめまして、私は倉内です。」

「よ、よろしく。僕は中島優斗(なかじま ひろと)。よろしく、倉内さん。」

中島先生は男前だった。
「ええ、では、案内しますね」

「はい」
北校舎から順に案内してゆく。

「1階は3年生、そして昇降口です。」

「2階は1年生、突き当りには英語学習室があります。英語学習室では、自習や授業でインターネットを使う際に使用されます。」

「3階は西側から、第二理科室、理科準備室、図書準備室、図書室、進路相談室です。図書室には約三千冊もの本があります。」

「4階は西側から、第一音楽室、コンピューター室、多目的室、そして階段を挟んで第二音楽室準備室、突き当りには第二音楽室です。」

「次は中校舎を案内します。」

中島先生は真面目に話を聞いてくれている。

―なんか可愛いなぁ

「ーさん?倉内さん?」
「は、はいっ?質問ですか?」
「いや、ボーってしてたから。大丈夫?」

そう言って顔をのぞき込む先生。
「あ、はい、大丈夫です....」
「そう?良かった」
にかっと幼く笑った先生。

「あ、つ、次、行きますね」