緊張状態と恋は似ていると言うが、まさに今の私はそれだ。
未知の世界に迷い込んで、未知な人類と出会って、私は彼と話した。
まあ、会話とも呼べないレベルだったが、私はもっと彼と話してみたいと思った。
日本ではこの29年間、沢山の人に会って、沢山の人と話して、人間のパターンの定義らしきものを知らず知らずのうちに作っていたような気がする。
ただ、違う国の人が、何を考え、どんな風に生きているのか。
好奇心が一斉に溢れ出たような感じがする。
私はまるで地球外生命体を発見したかのように興奮している。
同じ人間なのに。
本当にこれは少し恋心に似ている。
だけど、恋ではない。


