わっとチャペル内に歓声が湧いた。


私は空っぽの自分の体を抱きしめ、隣では新郎の妹のはにかんだ笑顔をブーケが際立たせている。


ちなみにその妹、来年婚約するらしい。


歓声と拍手は私へ対するものではなくその妹へと向けられている。


「今年も(結婚)なさそうだね〜」


背後にいた親友の畑 由紀がくすりと笑って私の耳元で囁いた。


ちなみに今、この日の為にと用意したシャネルのくそ高い私のドレスの裾で、由紀の子供がご丁寧によだれを拭いてくれている。