そして考えることは一つ。
あのトナカイくんの中、どんな人なんだろう……?
きっと子供にも動物にも優しくて、笑顔が素敵な人。
皆に好かれてて常にたくさんの友人に囲まれている。
絶対にそんな人だと思う。
一人妄想を膨らませていることにおかしくなってふっと笑う。
その瞬間、私の視界に飛び込んでくる大きなツノに赤い鼻。
「〜〜〜ッ!!??」
トナカイくんが私の目の前にいた。
「え、え、さっきまで子供達とっ…!?」
驚きのあまり上手く喋れなくてあたふたしながら言うと、トナカイくんはすぐ近くのデパートの入口を指差した。
どうやら子供達はお母さんと一緒にデパートの中に入ったらしい。
「そ、そっか……なるほどね、…」
ハハ、と笑ってごまかすけど心の中は恥ずかしさが込み上げる。
絶対笑ってる所見られた!!!
恥ずかしい!!
穴があったら入りたいっ!!!

