「う………いや、ちょっと待って。誰かからメールが来てる……」
受信ボックスを開いて内容を確認すると送り主はお母さんだった。
『今年のクリスマスはお父さんと陸と私の三人でご飯食べちゃいました!
このはは……隣に大切な人がいるんでしょ? 仲良くね!
あんまり遅くならない程度に帰ってくるのよ☆』
「お、お母さん……すごい……」
お母さんには全てお見通しってことか。
やっぱり……敵わないな。
お母さん、ありがとう………
私は携帯を閉じると幸平くんの方に向き直ってにっこりと笑った。
「ん、まだ大丈夫だよ!ありがとね!」
「本当に大丈夫?てか、メールの内容気になるな……」
「いーから、いーから!気にしないで!」
私はバッグの中へそそくさと携帯を収めた。
”大切な人” なんて…幸平くんに見られるのはちょっと恥ずかしいから。
「ならいいけど……。 あ、じゃあちょっと時間あるんならどっか店入らねー? ずっと外にいるのも寒いしさ!」
「あっ……うん、そーする!」
すると幸平くんは照れ臭そうに右手を差し出してきた。