幸平くんはふっと笑って、





「……ありがとう」





そして私の頭を優しく撫ででくれた。







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「でもまぁ〜あのチャラ男にも少しは感謝しないといけねーんだよね」




「え?何でよ!最低じゃんあいつら!私は絶対許さないよ!!」




「俺とこのはが初めて会った日。俺、チャラ男にどつかれてキャンディー落としたんだよ。そのチャラ男がさっきの奴らの一人。

あいつにどつかれてなかったら俺、このはと出会えてなかったのかな〜って」




「そ、そうだったんだ…。なるほどね、全然気づかなかったわ……」





それから私達は他愛もない話で盛り上がっていた。






……でも待って。



私、何かを忘れている気がする……





「………あ!!!」





思い出した瞬間、一気に背筋が冷たくなった。





「どした?」



「やばっ……家に帰るの忘れてた…!皆、私の帰り待ってるかもしれないのに!」





慌てて携帯で時間を確認すると10時20分。






あぁ………終わった………。






「うっわ、もうそんな時間?ごめんな、家族待ってんのに長い時間付き合わせて。俺、家まで送るよ?」