「うわ、もう9時過ぎてるよ〜……。結局今年のクリスマスも部活で潰れちゃったなあ」


「今ごろ皆クリパとか彼氏がいたらイルミネーション見に行ったりとかしてんのかな〜?あー夢みたいだわ」


「ねぇ、だったらこの後皆でご飯食べにいかない⁉︎ せっかくのクリスマスなんだしちょっとくらい楽しみたいじゃん?」





「あ、いーねそれ賛成!」






私の周りでそんな会話が飛び交う。


今、私達バレー部員は長い練習を終え帰宅の準備をしている所だ。




皆よりも一足早く準備を終えた私はスポーツバッグを肩に掛けすっと立ち上がる。






「皆、練習お疲れ様!明日もまた頑張ろうね!」





垂れる汗を拭いながらできる限りの大きな声で言う。






「あれ?このは帰っちゃうの?今皆でご飯食べにいこーって話してた所なんだけど……」



「あ、えっと、私ん家毎年クリスマスは家族とご飯食べるのがお決まりだからさ!だからごめんね。誘ってくれてありがとうっ」






私は軽く手を振ると苦い顔をした皆を残してその場を後にした。