家に着くとお母さんが暖かい料理を作って待ってくれていた。
「あらこのは、おかえり!今日はいつもより遅かったのね。毎日自主練、遅くまでお疲れさま!!」
にこっと笑うお母さん。
その笑顔に 今日は自主練で遅くなったんじゃないんだよね…と若干申し訳ない気持ちになる。
「ねーちゃんいっつも帰るのおせーよ!」
弟の陸が何か書き物をしながら叫ぶ。
陸は小学3年生。
最近ちょっぴり口が悪いけど甘えグセはまだまだ直らない、私の可愛い弟だ。
「ごめんごめん、今日は遅くなっちゃった。…あ、ご飯いただきます!」
私はそう言って椅子に腰を下ろし、ご飯を食べ始めた。
そんな私をお母さんはじーっと見つめて一言、
「このは、今日何かあったの?」
「ッッ!!!!」
驚きのあまり吹き出しそうになったものを両手で必死に抑える。
「な、ななな何でっ!?何でそう思うの!?」
「だって、このはさっきからず〜〜とニヤニヤしてるんだもん」

