私が取った行動をトナカイくんが真似してきたり、よく分かんないジェスチャーをされたり。



私はこれでもかってくらい笑った。






しばらくして笑いが収まってきた時、トナカイくんは突然私の手を掴んだ。




「えっ!? な、何……!?」





さっきまでの空気とは打って変わってしんみりした空気が流れ出したのを肌で感じ、一瞬どきりとする。


トナカイくんは私の手を広げ、カゴに入っていたキャンディーを大量に手のひらにのせてくれた。





「え、こんなにたくさん貰っていいの…? 店長さんに怒られない?」





そう言うとトナカイくんは口元に人差し指を立てた。



……秘密だよ、ってことか。





「分かった! トナカイくんありがとね!!」




笑顔でそう答えるとトナカイくんはくしゃっと私の頭を撫でてくれた。


そして手を振りながら私の元を離れていく。






「……くそぅ、不意打ちねらったな…」




私は手に乗った大量のキャンディーをぎゅっと握った。






……やばい、今すっごいドキドキしてる。



トナカイくんといるとすごく楽しくて。
時間を忘れるくらい幸せなひと時。






こんな気持ちは、初めてだった。