思わず両手で赤面した顔を覆う。
するとその手にふわっと触れる暖かいもの。
……トナカイくんの手だ。
「さ……、さっき私が笑ってる所見たでしょ…!? きっとおかしい奴って思ってんでしょ!?」
そう言いながら私はゆっくりと顔から手を離す。
トナカイくんは腕を組み首をかしげて考える素振りをしたけど、
うん、と一回頷いた。
ほら、やっぱりっ!!!!
「もうやだっ! 恥ずかしいじゃんっ!!」
照れ隠しの意味も含め、私は軽くトナカイくんの腕を叩く。
するとトナカイくんは軽く叩いただけの腕を押さえて大げさに「痛い!」とでも言いたいような素振りを見せた。
「ちょっと! それ大げさすぎないっ⁉」
ここが大通りのど真ん中ってことも忘れて私は本気で大爆笑。
近くをすれ違う人が眉をひそめているのもこの際全く気にならなかった。

