溺愛†マドンナ

だって今オレ、世那に抱きつかれて、その上“好き”って言われてるんだぞ?


ずっとずっと夢見ていた事だけど、やっぱり夢か?これ。


オレ実は階段から落ちて保健室で寝てて夢見てるんじゃねぇの?


だけど腹から腰にかけてのほのかな温もりは、確かに存在してる。


「つ、剣君は……私の事、どう思ってるんですか………?」


世那がなぜか敬語で尋ねて、オレを上目遣いで見上げた瞬間、何かが弾けた気がした。


「――――現実かよっ!!」


「へっ?…キャアアッ!?」


やっと事態の受け入れが終わったオレは、世那を目一杯抱きしめ返した。