溺愛†マドンナ

私が秀悟が傍からいなくなったら嫌なのも、同じ様なものなんだ。


「秀悟の事は大切。かけがえのない人。だけどずっと一緒にいたからこそ、もう秀悟は“家族”同然なの………」


震えて情けない声だったけど、想いを全て打ち明ける。


また数秒間沈黙が流れ、私の鼻をすする音だけがA組内に響いていた。


黙って立っていた秀悟が、自分の前髪をクシャッと掻き上げた。


「つまりオレは………“恋人”としてお前の“大切な人”にはなれないって事か………」


私がコクリと頷き、秀悟が1つ大きく息を吐く。


そして、ニッコリと笑った。