普段生徒で賑わっている教室も、誰もいなくなったら何とも物悲しい雰囲気を醸し出すもの。


「……ハァ………」


しかし今日の2年A組の教室には、私1人だけが残っていた。


恐らくもう少ししたら、もう1人A組の生徒がここにやって来る。


そして私はその人を、とても傷つける事になるであろう。


傷つけないで済むなら、あの人を笑顔のままでいさせる事が出来るなら、どんなにいいんだろう。


だけど――――…今の私には、それは出来ないんだ―――――…


――――ガラッ…


1人でボンヤリイスに座っていると、A組の扉が開く。