………違う。


私の秀悟に対する“大切”は、幼なじみとしてだ。


私ははよみたいに、柿出君に対する静帆みたいに、秀悟に甘い瞳は向けられない。


私は………秀悟に『幼なじみ』以上の感情は持っていないんだ――――…


「なんでたった1日で答えが出ちゃうのよ……」


誰にもバレない様に、限りなく小さな声で呟く。


はよと緋ノ戸君の事とは全く関係ない事で泣きそうになっている私に気がついていたのは、剣君だけだった。


「秀悟……ごめんね」


充分待たせてしまったあの人を


これ以上待たせるワケには、いかなかった。