ポンポンと頭を撫でられていたはよが、ゆっくりと顔を上げて緋ノ戸君を見上げた。


「確かにウワサでアンタがどんどん強くなっていってるって聞いた時は、恐怖心みたいなのがあった……だけど今助けてくれたじゃない。榮児、お願いだから傍にいてよ――――…」


ボロボロ涙を流しながら緋ノ戸君にすがりつくはよの言葉が刺激となって、私の頭の中に先程まで脳内を占拠していた事が蘇った。


秀悟は私が好きで、私も秀悟が大切。


でもその“大切”って……今のはよみたいな“恋心”としての大切なの?


秀悟の私に対する“大切”と、同じものなの?