溺愛†マドンナ

一瞬何が起こったか分からなかったけど、はよを守る様に背中に隠していたのは――――…緋ノ戸君だった。


はよは呆然と緋ノ戸君の名前を呼び、瞬きを繰り返す。


「世那!萩里!大丈夫か!?」


「榮児、見事な飛び蹴りだったな」


状況について行けない私達の所に、剣君と柿出君も走り寄って来た。


「えっ?えっ?し、静帆、何が起こったの?」


「イヤ……多分緋ノ戸君が矢道君に飛び蹴りしたんだと………」


「“多分”じゃなくてしたんだよ。全く手加減してなかったな、アイツ」


えええっ!?だから矢道君、フッ飛んだの!?