溺愛†マドンナ

でも私と静帆の女子2人だけじゃ、この尋常じゃないオーラを発している矢道君を止める事は難しい。


秀悟のバカ!なんで今日に限って先に教室帰っちゃったのよ!


他に人はいないか辺りを見回したけれど、不幸な事に誰もいない。


「ちょっと!はよ嫌がってるじゃない!やめてよ!!」


もうこうなりゃ私達がどうにかするしか無いと、はよの腕を掴んでいる矢道君の手に自分の手を伸ばした時だった。




「はよっ!!」




ゴッ!という凄い音が聞こえ、次の瞬間には勢い良く廊下に倒れ込む矢道君の姿。


「緋……緋ノ戸君…………?」