ああ……頭がボーーーッとする………


いつも見慣れた校舎内も、微かに歪んでいる様な気がする………


「ちょっ……!危ない世那!」


「ふぉええっ!?」


グイッと腕を引っ張られ、一気に二、三歩後退する私の体。


ハッとして前を見てみると、すぐ目の前に太い柱が立っていた。


「アンタ何柱に直進しようとしてんのよ!!」


「まったく……ぶつからなくって良かったわ!」


「ご、ごめん……はよ、静帆」


どうやら私はボーーーーッとするあまり柱に気づかずにスタスタと歩き続け、ギリギリの所ではよが助けてくれたらしい。