溺愛†マドンナ

慌てて教室を飛び出した私は、近くの女子トイレに駆け込む。


ちょっと勘違いされそうだったけど、そんなのどうでも良かった。


「ハァ~~~…どうしよう……」


個室にカギをかけ、洋式トイレの蓋を上げないでそのまま腰掛けた。


あっ、壊れない様にちょっとしか座ってないから大丈夫だと思うよ。


「また避けちゃった………」


秀悟とはあの日以来、1度もちゃんとした会話をしていない。


あの日の翌日の朝、普通に“おはよう”言われたんだけど、私はかなり小さい声で俯きながら返すのが精一杯だった。


でも秀悟は何か言いたそうで……