話を終えた槙さんは、不安気な目で真っ直ぐに私を見つめる。


はよも静帆もいるのになぜ私だけなのかは分からなかったけど、話を聞いてる内に私の答えはすでに出ていて……だから答えやすかった。


「ハイ……分かりました」


剣君には優しい所がいっぱいあるのに、皆が離れてそういう所が出せないし、見てくれない。


だからせめて私は――――…剣君の苦しみを少しでも取り除く事が出来る存在でありたかったの。


私の返事を聞いた槙さんはとても嬉しそうに笑い、“ありがとう”と言ってくれた。


時間も経ち、槙さんの奢りでカフェを出る。