今日は世那と出かける日当日で、オレは前日墨染家に泊まったので、槙さんがクツを履いているオレの後ろでニコニコと笑っている。


「あ、ハイ、そっすね……」


「槙さん、笑顔が微妙に怖いです」


一緒に泊まった榮児と慶太郎は、顔を引きつらせて、目を泳がしていた。


オレが昔から英語を習っていた大学生と言うのは、もちろん槙さんの事。


オレが小学5年生の時、オール英語の歌の意味をどうしても知りたくて、当時中3だった槙さんがオレに英会話レッスンをしてくれたんだ。


受験生なのにつき合ってくれて、オレはますます槙さんに憧れたっけ。