溺愛†マドンナ

休み時間でガヤガヤと賑わう廊下に出て、トイレへ向かう。


トイレを済ませてから再び廊下に出ると、誰かに名前を呼ばれた。


「世那」


んっ?この低くてよく通る声の持ち主は………


「あっ、剣君、おはよう!」


想像通り、私の事を呼んだのは剣君だった。


今日は薄い赤のドクロのピアスで、ゴールドの鎖にプレートが付いたネックレスを着用している。


「お前……今何時だと思ってるんだよ。昼なのになんで“おはよう”なんだよ」


もう12時を過ぎているのに“おはよう”と言った私に、剣君は呆れ気味の視線を送っていた。