「……言い忘れてたけど、17歳おめでとう、世那。また明日、学校でな」


秀悟はポンポンと頭を撫でると、そのまま自宅の方向に歩いて帰ってしまった。


思考回路がこんがらがっている私は、フリーズしながらその後ろ姿を見送る。


「何だったの………」


「世那ちゃんお帰りーー!なんで家の前で直立してるの?」


30秒後、家から出てきた璃々が声をかけてくれるまで、一歩も動けなかった。


秀悟はこの時………一体どんな思いで私を抱きしめたのか。


これは例え私が天才でも、完全に理解する事は出来ない問題だったんだ――――…