一体秀悟は何の事を言って――――…


「あっ!」


ピン!ときた私は、ジッと幼なじみの横顔を見つめる。


こちらを振り返った秀悟は、先程まで剣君に見せていたしかめっ面では無く、いつも見慣れた穏やかな笑顔だった。


「待ち合わせ場所や時間は、決まったらメールするから」


「うん!分かった!!」


毎年恒例のイベントを思い出し、笑顔で承諾する私。


「立置君と世那、何話してんだろう?」


「さぁ…聞こえないけど、緋ノ戸君頑張って……」


はよと静帆が笑顔の私達を見られぬ様緋ノ戸君を応援していた事等、全く知らなかった。