・・・莉子side・・・

「お待たせ~…ご飯できたよー、っと!」

テーブルの上に並べ、皆の分の朝食を並べる。

返事は帰ってこない。皆同じように顔を下に向けている。

「食欲ないかもしれないけどさ…ちゃんと食べないと、体もまいっちゃうよ?ね?」

つとめて明るく瑠璃はいうと、いただきます!と言って一番に箸を付けた。

私もいただきます、と言って箸を付ける。中々いい出来だ。

…こんな状況なのに美味しいと思える辺り、何処かおかしいのかもしれないな。

私達が食べてるのを見て、次々皆も食べ始めた。

やっぱりお腹は空いていたんだろう。どんどん無くなっていく。

30分もすると綺麗に無くなった。茜もちゃんと食べれたみたいだ…良かった。

「…悪ぃ、俺上行くわ。今日昼いらねぇから。」

呟くと、蓮は食堂を出ていった。

「んだよ蓮の奴…片づけぐらいしてけっつの…」

腹立たしい、というより呆れたように日向が言う。

俺洗うわ、という申し出に甘えて食後のお茶を飲んでいた。

自分でも呑気なものだなぁ、と思う。きっと色々麻痺してしまったんだろう。

「…ごめん。ちょっとあたしも上行く…お昼はいいから。」

茜も食堂を出ようとした…けど、足が凄く震えてる。

思わず心配になって手を伸ばし、支えようとした。けど…

「ッ…あたしに触んないで!」

そう叫ぶと私の手を払いのける。…結構、痛い。

「ぁ…ごめん…痛かった、よね…」

茜は申し訳なさそうに俯き、足早に食堂を出ていった。