▼少し時間はさかのぼり



少女は無駄に豪奢な理事長室の長椅子に身を縮こませるように座っていた。


彼女、佐野愛紗は高等部2年への転校生だった

今日の親睦会のことそれについての迎えの生徒について、

その他諸々を聞いていた、のだが


心は完全に上の空だった。


(新入生歓迎の挨拶のあの人かっこよかったなぁっ!!)


愛紗は今、先程の入学式で見た少年のことを考えていた。

その少年の第一印象は“綺麗"だった。


男に対する評価では無いと思うが、そうでなく

ただただ単純に綺麗だと思った。