「お待ちください蒼麻様ぁ!!」


必死に声を上げる少年は金髪に近い色素の薄い髪に褐色の肌といった、日本人としては珍しい相貌をしていた。



「はぁっやっと見つけた、まったく、

一体どこ行ってたんですか?」


あ?とどこか気だるげな蒼麻と呼ばれた少年は

墨をぶちまけたかのように真っ黒な髪と同じ、
奥の覗けない暗闇のような瞳を少しだけ開き、
首を傾けこちらを一瞥した。


「入学式の後は親睦会があるとおっしゃっていたでしょ?」

あーあれか、と思い出し少し顔を歪めた

「祈羅、俺は行かないって言わなかったっけ」