いとしいこどもたちに祝福を【後編】

瞬間、涙がまた際限なく溢れる。

するとゆっくり身を起こした愛梨の両腕に、そっと抱き締められた。

「…でも泣き虫なのは、相変わらず」

「うっ」

「私に似たのかしら…?それじゃあ男の子なんだから我慢しなさい、なんて言えないわね」

困ったわ、と愛梨は楽しそうにくすくすと笑った。

「でっ…でも母さん、俺…大切な女の子が出来たんだ。その子は、俺を何度も助けてくれて…」

「…その子のためなら、泣き虫も我慢出来る?」

「うん…」

「うふふ。陸の大切な子ね、私も早く逢いたいわ」

「すぐに、逢えるよ。だけど……その前に一つだけ、はっきりさせなきゃいけないことがあるんだ――」


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