瞬間、涙がまた際限なく溢れる。
するとゆっくり身を起こした愛梨の両腕に、そっと抱き締められた。
「…でも泣き虫なのは、相変わらず」
「うっ」
「私に似たのかしら…?それじゃあ男の子なんだから我慢しなさい、なんて言えないわね」
困ったわ、と愛梨は楽しそうにくすくすと笑った。
「でっ…でも母さん、俺…大切な女の子が出来たんだ。その子は、俺を何度も助けてくれて…」
「…その子のためなら、泣き虫も我慢出来る?」
「うん…」
「うふふ。陸の大切な子ね、私も早く逢いたいわ」
「すぐに、逢えるよ。だけど……その前に一つだけ、はっきりさせなきゃいけないことがあるんだ――」
+ + +
するとゆっくり身を起こした愛梨の両腕に、そっと抱き締められた。
「…でも泣き虫なのは、相変わらず」
「うっ」
「私に似たのかしら…?それじゃあ男の子なんだから我慢しなさい、なんて言えないわね」
困ったわ、と愛梨は楽しそうにくすくすと笑った。
「でっ…でも母さん、俺…大切な女の子が出来たんだ。その子は、俺を何度も助けてくれて…」
「…その子のためなら、泣き虫も我慢出来る?」
「うん…」
「うふふ。陸の大切な子ね、私も早く逢いたいわ」
「すぐに、逢えるよ。だけど……その前に一つだけ、はっきりさせなきゃいけないことがあるんだ――」
+ + +


