京の、陸へ対する気持ちが、全く陸に伝わっていない訳がない。
陸だって、本当は解っているのではないのか。
「晴海ちゃん…っ」
「気付いて、陸…!そんなの陸の本当の心じゃないっ…そう思い込んでるだけ…思い込まされてるだけだよ!!」
「陸、その小娘の言うことを信じるな!その女は兄の味方だぞ!!」
如月の声に反応して再び身構えようとした陸の両腕を、晴海は咄嗟に押さえ込むように掴んだ。
「陸はっ…京さんに酷いことを言っても全然胸が痛くないの…?痛くない振りをしてるんじゃないの…っ?!私は、陸が無理をしたり傷付いたりするのは、嫌だよ…!前にもそう、言ったじゃない…!!」
それも忘れてしまったのか、約束してくれたのに。
「…前、にも……」
陸は虚ろな目付きで、譫言(うわごと)のように呟いた。
「りくは…っ!私の好きな陸は…あんなこと平然と言える人じゃないよ…!!それとも私が見てきた陸の姿も、今まで伝えてくれた陸の言葉も、みんな嘘だった…?」
懸命に訴えるように緋色の眼を覗き込むと、陸は眉を顰めて視線を泳がせた。
「俺……おれ、は…」
「京さんがいなくなればいいだなんて、本当に思ってる…っ?死んじゃったらもう、どんなに逢いたくても逢えなくなるのに…!!」
「姉ちゃん…」
「っ余計なことをごちゃごちゃと…陸!!その小娘はお前を困惑させる元凶だ、ずっと恨めしかった兄共々、さっさと始末してしまえっ!!」
痺れを切らして熱(いき)り立った如月が、怒声を上げる。
すると京が、晴海を守るように両手を広げて晴海と陸の間に素早く割って入った。
陸だって、本当は解っているのではないのか。
「晴海ちゃん…っ」
「気付いて、陸…!そんなの陸の本当の心じゃないっ…そう思い込んでるだけ…思い込まされてるだけだよ!!」
「陸、その小娘の言うことを信じるな!その女は兄の味方だぞ!!」
如月の声に反応して再び身構えようとした陸の両腕を、晴海は咄嗟に押さえ込むように掴んだ。
「陸はっ…京さんに酷いことを言っても全然胸が痛くないの…?痛くない振りをしてるんじゃないの…っ?!私は、陸が無理をしたり傷付いたりするのは、嫌だよ…!前にもそう、言ったじゃない…!!」
それも忘れてしまったのか、約束してくれたのに。
「…前、にも……」
陸は虚ろな目付きで、譫言(うわごと)のように呟いた。
「りくは…っ!私の好きな陸は…あんなこと平然と言える人じゃないよ…!!それとも私が見てきた陸の姿も、今まで伝えてくれた陸の言葉も、みんな嘘だった…?」
懸命に訴えるように緋色の眼を覗き込むと、陸は眉を顰めて視線を泳がせた。
「俺……おれ、は…」
「京さんがいなくなればいいだなんて、本当に思ってる…っ?死んじゃったらもう、どんなに逢いたくても逢えなくなるのに…!!」
「姉ちゃん…」
「っ余計なことをごちゃごちゃと…陸!!その小娘はお前を困惑させる元凶だ、ずっと恨めしかった兄共々、さっさと始末してしまえっ!!」
痺れを切らして熱(いき)り立った如月が、怒声を上げる。
すると京が、晴海を守るように両手を広げて晴海と陸の間に素早く割って入った。


