如月の言葉を受けて、再び陸は敵意を込めた視線を京に向けた。
「…!!」
「今のは危なかったよ、また騙されるところだった」
陸はくすりと笑顔を浮かべて、京の首に手を掛け直した。
「り、くっ……」
「お兄ちゃんなんか嫌いだ。大っ嫌いだ――だから、いなくなっちゃえばいいんだ!!」
っどうして――
次の瞬間、晴海は風弓の制止を振り切って陸の元へ駆け寄ると、陸が反応するより先に思い切りその頬を平手打ちした。
「っつ…!!」
陸は叩かれた弾みで両手を京の首から放すと、呆然とした様子で眼を丸くした。
そしてゆっくりと、叩かれた頬に手を添えた。
「陸っ…陸の、ばかっ…!!」
陸の頬を打った右の掌が、じんじんと激しく疼く。
「はっ…はぁっ…はるみ、ちゃん…っ」
首筋を解放された京が、激しく咳き込みながら晴海と陸に視線を巡らす。
「………は、る?」
陸は今しがた初めて晴海の姿を見付けたかのように、不思議そうに眼を瞬いてこちらを見つめた。
「どうして、京さんの言葉を聞こうとしないの…?どうして自分の気持ちに嘘をつくの…っあんなのが、陸の本当の気持ちだなんて思えないよ!!」
「…!!」
「今のは危なかったよ、また騙されるところだった」
陸はくすりと笑顔を浮かべて、京の首に手を掛け直した。
「り、くっ……」
「お兄ちゃんなんか嫌いだ。大っ嫌いだ――だから、いなくなっちゃえばいいんだ!!」
っどうして――
次の瞬間、晴海は風弓の制止を振り切って陸の元へ駆け寄ると、陸が反応するより先に思い切りその頬を平手打ちした。
「っつ…!!」
陸は叩かれた弾みで両手を京の首から放すと、呆然とした様子で眼を丸くした。
そしてゆっくりと、叩かれた頬に手を添えた。
「陸っ…陸の、ばかっ…!!」
陸の頬を打った右の掌が、じんじんと激しく疼く。
「はっ…はぁっ…はるみ、ちゃん…っ」
首筋を解放された京が、激しく咳き込みながら晴海と陸に視線を巡らす。
「………は、る?」
陸は今しがた初めて晴海の姿を見付けたかのように、不思議そうに眼を瞬いてこちらを見つめた。
「どうして、京さんの言葉を聞こうとしないの…?どうして自分の気持ちに嘘をつくの…っあんなのが、陸の本当の気持ちだなんて思えないよ!!」


