陸の見ていない打算も策略も何の関係のない場で、自分は京の、陸へ対する心情の吐露を見聞きしている。
それに、もし本当に京が陸の存在を邪魔だと思っているなら、陸を取り戻すために単身で此処までやって来たりはしまい。
咲良も、幼い頃の二人は仲の良い兄弟だったと言っていた。
仮に先程の発言が陸の本心から出た言葉なら、陸は京のことを誤解している――
「急に勢いがなくなったな、霊奈!!」
香也の嘲笑が聞こえて弾かれたように顔を上げると、二人に接近戦に持ち込まれ京は防戦一方に回っていた。
「お兄ちゃん、今更俺を殴るのが怖いの?」
「くっ…」
京が反撃を躊躇しているのは、陸に攻撃が当たることを恐れてか。
「…僕が単に逃げ回っているだけだと思ったのか?甘いよ」
一旦後方へ退いた京がぱちんと指を鳴らすと、香也と陸の身体の周囲に銀色の光が発生した。
「なっ…?!」
「これで二人共、暫くは魔力も霊力も使えない」
どうやらあの光は、二人の力を一時的に抑えるものらしい。
それに一瞬戸惑いを見せた香也を、京は突風を浴びせて弾き飛ばした。
「ち…!小賢しい真似しやがってっ…陸!!」
「!」
香也が声を上げた瞬間、京の死角に回り込んだ陸は兄の脇腹に蹴りを叩き込んだ。
それに、もし本当に京が陸の存在を邪魔だと思っているなら、陸を取り戻すために単身で此処までやって来たりはしまい。
咲良も、幼い頃の二人は仲の良い兄弟だったと言っていた。
仮に先程の発言が陸の本心から出た言葉なら、陸は京のことを誤解している――
「急に勢いがなくなったな、霊奈!!」
香也の嘲笑が聞こえて弾かれたように顔を上げると、二人に接近戦に持ち込まれ京は防戦一方に回っていた。
「お兄ちゃん、今更俺を殴るのが怖いの?」
「くっ…」
京が反撃を躊躇しているのは、陸に攻撃が当たることを恐れてか。
「…僕が単に逃げ回っているだけだと思ったのか?甘いよ」
一旦後方へ退いた京がぱちんと指を鳴らすと、香也と陸の身体の周囲に銀色の光が発生した。
「なっ…?!」
「これで二人共、暫くは魔力も霊力も使えない」
どうやらあの光は、二人の力を一時的に抑えるものらしい。
それに一瞬戸惑いを見せた香也を、京は突風を浴びせて弾き飛ばした。
「ち…!小賢しい真似しやがってっ…陸!!」
「!」
香也が声を上げた瞬間、京の死角に回り込んだ陸は兄の脇腹に蹴りを叩き込んだ。


