「っ…!?」

瞬間、びくりと動きを止めた京に、香也の光弾と陸の焔撃が直撃する。

「京さんっ!!」

晴海のすぐ傍まで吹き飛ばされた京は、何とか体勢を立て直したものの動揺した様子で陸を見つめた。

「り…く……っ?」

「――お兄ちゃん、また俺のこと殴るの?」

陸はかくんと首を傾げながら、くすりと笑みを浮かべた。

だがその笑顔からは、親しみや愛情などは一切感じ取れない。

「陸っ…お前、記憶が……」

「え?!」

愕然とした表情を浮かべる京に、陸は幼い子供のように笑い声を上げた。

「…やっぱり、思い出して欲しくなかったんだ?優しい兄のふりを演じてるお兄ちゃんにとっては、不都合でしかないことだものね」

(演じて、る…?)

「違う!僕はお前のことを…っ」

「違う?本当は俺のことなんか、見付からなければいいって思ってたんじゃない?」

陸は恨めしげに京をねめ付けると、ゆっくりとこちらへ歩み寄った。

「どうせ、半分しか血は繋がってないし」

「…!」