いとしいこどもたちに祝福を【後編】

「…約束。ね?」

「う…うんっ!」

指切りに応じつつ少女が大きく頷くのを見て、少年は嬉しそうに笑いながら今度は少女の唇に口付けた。

「えっ…」

「俺のこと、忘れないで」

絡めた指を解きながら、少年は少女にそう囁いた。

このとき何気なく少年が告げた言葉は、後に少女自身も気付かないうちに彼女へ大きな影響を与える。

そうして、このときから十年後――