――とある国のとある場所で、幼い少女は一人の少年と出逢った。
中性的な美貌と、不思議な雰囲気を持つ少年だ。
「あ…あなた、だれ?」
少女から戸惑いがちにそう訊ねられた少年は、訊かれたこと自体が珍しいかのようにくすりと微笑んだ。
「俺は、陸だよ」
「りく」
「そう。大陸の陸って書くんだ。君は?」
逆に問い返され、少女はやや間を置いてから、恐る恐る口を開いた。
「……わたし…はるみ。…はれた、うみって、かくの」
「綺麗な名前」
少年は少し強引に少女に詰め寄ると、その瞳を覗き込んで嬉しそうにまた満面の笑みを浮かべた。
「君の眼、名前と同じ晴れた日の海の色だ。凄く綺麗」
「え…ぇと」
「俺、この色が大好きなんだ。君にとっても似合ってるよ」
お気に入りの色を少女の眼の中に見付けて無邪気に微笑む少年を他所に、少女は真っ赤になった顔を隠すように俯いた。
「あ…っあなたのほうが、きれいだとおもう」
「?」
「…かみがおほしさまみたいにきらきら、してて…めがいちごみたいにまっかで…とってもとっても、きれい」
中性的な美貌と、不思議な雰囲気を持つ少年だ。
「あ…あなた、だれ?」
少女から戸惑いがちにそう訊ねられた少年は、訊かれたこと自体が珍しいかのようにくすりと微笑んだ。
「俺は、陸だよ」
「りく」
「そう。大陸の陸って書くんだ。君は?」
逆に問い返され、少女はやや間を置いてから、恐る恐る口を開いた。
「……わたし…はるみ。…はれた、うみって、かくの」
「綺麗な名前」
少年は少し強引に少女に詰め寄ると、その瞳を覗き込んで嬉しそうにまた満面の笑みを浮かべた。
「君の眼、名前と同じ晴れた日の海の色だ。凄く綺麗」
「え…ぇと」
「俺、この色が大好きなんだ。君にとっても似合ってるよ」
お気に入りの色を少女の眼の中に見付けて無邪気に微笑む少年を他所に、少女は真っ赤になった顔を隠すように俯いた。
「あ…っあなたのほうが、きれいだとおもう」
「?」
「…かみがおほしさまみたいにきらきら、してて…めがいちごみたいにまっかで…とってもとっても、きれい」


