「そうか…僕は弟と半分しか血の繋がりはないけど、こっちには性別という壁があるからねえ」
京は本気とも冗談とも取れるような面持ちで、くすくすと笑った。
「…京さん?」
物議を醸すような発言に思わず眉根を寄せると、京は茶化すようにひらひらと手を振った。
「やだなぁ、ちょっとふざけてみただけだよ?からかってごめんね。それに僕は陸が、僕の弟として生まれてきてくれたことが何よりも幸せなんだ。それは風弓くんも同じじゃないかい?」
前半が本心か否かは不明だが、後半の言葉には素直に賛同出来る。
「それは…そうですね」
「晴海ちゃんの一番になれなくても、君は彼女のたった一人の双子の弟なんだから。君にしか出来ないことをすればいい」
「俺が、出来ること」
「僕は陸の兄として、あの子を守るって決めてたんだ。陸が生まれるより前から」
(…俺も)
物心ついた頃からずっと傍にいた、晴海。
自分より身体も力も弱くて、内気で人見知りで。
誰に促されるでもなく、守ってやらなきゃいけない存在だと肌で感じていた。
「…陸を好いてくれる女の子が、晴海ちゃんのような素敵な子で…僕も嬉しいんだ」
「京さん」
京の口から晴海のことをそう言われるのは、何だか不思議な気分だ。
「風弓くんが僕の弟のことを同じように思ってくれていたら、僕は本当に喜しいよ」
京は本気とも冗談とも取れるような面持ちで、くすくすと笑った。
「…京さん?」
物議を醸すような発言に思わず眉根を寄せると、京は茶化すようにひらひらと手を振った。
「やだなぁ、ちょっとふざけてみただけだよ?からかってごめんね。それに僕は陸が、僕の弟として生まれてきてくれたことが何よりも幸せなんだ。それは風弓くんも同じじゃないかい?」
前半が本心か否かは不明だが、後半の言葉には素直に賛同出来る。
「それは…そうですね」
「晴海ちゃんの一番になれなくても、君は彼女のたった一人の双子の弟なんだから。君にしか出来ないことをすればいい」
「俺が、出来ること」
「僕は陸の兄として、あの子を守るって決めてたんだ。陸が生まれるより前から」
(…俺も)
物心ついた頃からずっと傍にいた、晴海。
自分より身体も力も弱くて、内気で人見知りで。
誰に促されるでもなく、守ってやらなきゃいけない存在だと肌で感じていた。
「…陸を好いてくれる女の子が、晴海ちゃんのような素敵な子で…僕も嬉しいんだ」
「京さん」
京の口から晴海のことをそう言われるのは、何だか不思議な気分だ。
「風弓くんが僕の弟のことを同じように思ってくれていたら、僕は本当に喜しいよ」


