「たよりないおねえちゃんで、ごめんね」
「へ」
「だっていつもふゆちゃんのほうがしっかりしてて、おにいちゃんみたいなんだもん」
風弓は、先程仄と庭で交わしていた会話の内容を思い出してどきりとした。
「な…に、言ってんだよ。一緒に生まれたんだから、どっちが上だとかそんなの関係ないだろ」
「でも…ふゆちゃん、はるちゃんってよんでくれなくなったよ」
「俺のは……けじめだからな」
「?…なんの?」
「ん、内緒」
いじわる、と膨れる晴海はふと、大きな扉の前で足を止めた。
「……!りっくんと、りっくんのおにいちゃんのこえがする」
どうやら、ほんの少し開いていた扉の隙間から、漏れ聞こえてきた声に気付いたらしい。
「此処は…応接間か。誰か客でも来てたのかな」
聞こえてくるのは陸と京の話し声だけで、どうやら他には誰もいないようだ。
「…何の話だろ。二人とも妙に深刻そうみたいだけど」
「のぞいちゃう?」
「え…い、いいのかよ、大事な話かも知れないのに…って姉ちゃん?!」
戸惑う風弓を他所に、晴海は聞き耳を立てるようにぺたりと扉へ向かって身を寄せた。
「へ」
「だっていつもふゆちゃんのほうがしっかりしてて、おにいちゃんみたいなんだもん」
風弓は、先程仄と庭で交わしていた会話の内容を思い出してどきりとした。
「な…に、言ってんだよ。一緒に生まれたんだから、どっちが上だとかそんなの関係ないだろ」
「でも…ふゆちゃん、はるちゃんってよんでくれなくなったよ」
「俺のは……けじめだからな」
「?…なんの?」
「ん、内緒」
いじわる、と膨れる晴海はふと、大きな扉の前で足を止めた。
「……!りっくんと、りっくんのおにいちゃんのこえがする」
どうやら、ほんの少し開いていた扉の隙間から、漏れ聞こえてきた声に気付いたらしい。
「此処は…応接間か。誰か客でも来てたのかな」
聞こえてくるのは陸と京の話し声だけで、どうやら他には誰もいないようだ。
「…何の話だろ。二人とも妙に深刻そうみたいだけど」
「のぞいちゃう?」
「え…い、いいのかよ、大事な話かも知れないのに…って姉ちゃん?!」
戸惑う風弓を他所に、晴海は聞き耳を立てるようにぺたりと扉へ向かって身を寄せた。


