――違うのか?だったらどうして、向き合おうとしない?

…どう、して……って?

――お前が先に進もうとしなければ、俺たちにはどうすることも出来ないんだ

なんのこと…いってるの?

――このままではいられないことくらい、本当は解ってるんだろう

わたしは…このまま……ずっと…

「駄目だ。今のままじゃ、お前は陸の――」





「りっくんっ?!」

「ぉわっ!!」

すやすやと眠っていた晴海の傍に付き添っていた風弓は、突然跳ね起きた片割れの声に驚いて飛び退いた。

「はる、どした?」

訝しむ仄に、晴海は呆然とした表情のまま訊き返す。

「かあさん、ふゆちゃん……りっくんは?」

「り…陸?わかんねえけど、多分周さんか京さんのところじゃないかな」

「…さがしにいってくる」

「へ?ちょっと待っ…、姉ちゃんっ」