いとしいこどもたちに祝福を【後編】

晴海は無言でこくんと頷くと、仄に甘えるように抱き着いた。

「大丈夫か?一人で歩ける?」

「うん、だいじょぶ…」

と言いつつ、晴海は仄の腕にしがみ着いて離れなかった。

「無理しなくていいからな?駄目だったらちゃんと母ちゃんか俺に言えよ?」

まあ、この足では晴海を運んでやることは出来ないから、仄に頼むことになるのだが。

「うん…わかった」

「…あんたさ。やっぱ立派に兄貴してるよ、ふゆ」

苦笑混じりにそう仄に告げられ、風弓は困り果てて肩を落とした。

「うん、まあ俺は…またこうして傍にいられるなら、どっちだって構わないかな」

『――…じゃあふゆちゃんは、どう?月虹から出られて、やりたいこととか、ないの?』

あの夜、晴海から訊ねられた言葉を思い返す。

答えられなかったのは、気恥ずかしかったから――

成長した晴海に一目でも逢って話をしたかったなんて、恥ずかしくて本人を目の前にして言える訳がなかった。


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