いとしいこどもたちに祝福を【後編】

晴海にそう気遣われ、自分の家族のことばかり心配していることに申し訳なくなった。

晴海はまだ、充と再会出来ないのに。

「わたし、りっくんのおとうさんすき。わらったかおがりっくんそっくりなの」

「…父さんと、俺が?」

「うん。りっくんとあいりさんも、りっくんのおとうさんのこと、だいすきなんだよね」

晴海は陸と愛梨の手を握ると、嬉しそうに頷いた。

「りっくん、あいりさん。いこ」

「晴、何処に行くの?」

「りっくんのおとうさんのところ」

「!」



――晴海は邸の構造を把握していない筈なのに、陸と愛梨の手を引いたまま迷うことなく父と兄がいる応接室の扉前までやってきた。

「扉が閉まってる…まだ話してる最中なのかな」

「…黎明の領主様がいらしてるのよね?私もご挨拶したほうがいいか訊いたら、素っ気なく必要ないって言ってたけど…」

(父さんが母さんにそんな態度を取るだなんて、珍しいこともあるんだな…)

「とびら、とんとんしたらだめ?」

「うん…まだ大事な話をしてるのかも知れないから」

鼻先に人差し指を立てて見せると、晴海は小さく頷いて口元を押さえた。