いとしいこどもたちに祝福を【後編】

「そういえば、お父さんと京くんは?」

二人の姿が見当たらないことに首を傾げた愛梨に訊ねられ、陸はどきりとした。

周が眩暈を起こして倒れかけたこと、愛梨に伝えたほうが良いのだろうか。

だが、本当に大したことがないのなら愛梨に余計な心配をさせてしまう。

「父さん、凄く忙しいみたいで…予定が少し変わったんだ」

「あいりさんがね、しんぱいしてるよ。りっくんのおとうさん、いそがしいのにあんまりおやすみしれくれないって」

「母さん?」

晴海の言葉を受けて愛梨の顔を振り向くと、愛梨は少し悲しげな表情を浮かべて俯いた。

「…お父さんね、最近無理して笑ってる気がするの。昔にもそういうことがあって、そのときもやっぱりあの人、無理してたから…それが心配で」

愛梨が周の仕事のことに対して、何か口出しすることは滅多にない。

それは周が愛梨を政局に巻き込みたくないと思っていることもあるし、愛梨もそれを理解し周の行いを信じているためだ。

その愛梨が、周の仕事振りを気に掛けるなんて余程のことだ。

「りっくんのおにいちゃんががんばっておてつだいしてるけど、それでもたいへんなんだって」

「…うん」

京は子供の頃から、少しずつ周の仕事の補佐をし続けている。

しかし陸は、能力のこともあってか一度も周の手伝いをさせられたことがない。

「俺も…何か父さんの力になれればいいのに」

「りっくん?」