いとしいこどもたちに祝福を【後編】

「すみません、ちゃんと話せなくて」

京はまた笑顔を浮かべると、ゆっくりと首を振った。

「いいさ。ちゃんと戻ってきて、良い報告が出来れば問題ないんだからね」

良い報告、という京の言葉にどきりとする。

「陸や風弓くんはともかく、強力な洗脳を施された慶夜くんを連れ出すのは難しいだろうけど…春雷まで連れて来られれば、あの双子同様に左腕の魔法だけでも解ける」

京ならば、あの慶夜を相手にしても大丈夫だろうか――

晴海にとって、慶夜は陸や賢夜を圧倒していた印象が先立っているため不安が募った。

「明日の早朝に、春雷を発つよ」

だがそう声を掛けられ、晴海は意を決して京の蒼い眼を見つめ返した。

「…はい」


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