「ふゆちゃんもね、わたしのとうさんとおそろいだよ。あおっぽいはいいろのめ」

「ん…そうか、充さんの眼の色は青灰色だったよね。黎明出身なんだっけ」

「ああ。俺は姉ちゃんと同じ色が良かったんだけどな、残念ながら親父に似ちまって」

漸く笑いが治まったらしい風弓は、何事もなかったかのようにまた会話に参加してきた。

「そういえば仄さんは何処の出身なんだ?髪色は晴や風弓より橙に近い茶髪だよな」

「あー…母ちゃんの家系はなんか各地を転々としてるらしくてさ、色々混ざってんだよ。確か、樹果やら金砂あたりの血も入ってるんじゃないかな」

「さいがのおじいちゃんは、あきさめにすんでるんだよ」

聞けば才臥家の祖父は健在らしい、父方母方共に祖父母のいない自分は少々羨ましかった。

「黎明出身者は今まで血筋にいなかったけど、親父が純血の黎明人だからとうとう仲間入りしたし。ちゃんと確かめたらもう全国制覇してるかも知んねえ」

「それは凄いな」

異種族の受け入れに寛大な春雷も顔負けである。

「陸も、見た目は純血だよなあ。あ…だけど親父さん、紅眼だけど金髪か」

「俺も良く知らないけど、祖母が純血で祖父は秋雨人らしいよ。で、母さんや悠梨さんは純血」

「ややこしいな…じゃあお前は、四分の一だけ秋雨人ってことか?全然見えねえけど」

正直才臥家の家系程ややこしくはないと思うが、突っ込むと長引きそうだったので黙っておいた。

「まあ、今どき純血に拘るような人間は冬霞の一部の人間と、領主やってる一族くらいだろうけど。各国の領主の家だって最近は純血のがよっぽど珍しいよ」

「ふゆちゃん、ものしりだね」

「まあな」