「まあ、仕組みは同じものだよ。闇属性の特質は吸収や抑制だからな。俺は対象者の身体に異常を来(きた)すような悪質な仕掛けはしてないだけで」
(そうだったのか…要は、術者の力の使い方次第ってことだな)
「あの魔法は物凄く強力だから、無理矢理解こうとしたときの反動も強いんだ。だから俺に掛けられた制約は掛けた本人…架々見以外には外せなくなったんだし」
それを思うと、よくあの架々見が制約を外してくれたものだ。
陸と香也で京を迎え討つためとはいえ、陸の能力を解放するなんて――余程陸を逃がさない自信でもあったのか。
「でも陸、その論理だとまだ晴海ちゃんには父さんの封印が掛かったままで、今は反作用が起きてるってことになるよな?」
「うん…だから、父さんが一度完全に魔法を解除してくれれば晴は元に戻ると思ったんだけど………違うの?」
京の言葉に、陸は不安げな表情で周を見上げた。
周は京と顔を見合わせると、ひらひらと両手を振りながら肩を竦めた。
「ああ。もう彼女から俺の魔法の気配はしない。最早、何の片鱗も残っちゃいないよ」
「…!!じゃあ、晴はどうして…」
「何がどう作用してるかは、今は判断し難いな。元より、あの子の力が未知数過ぎるよ。お前や香也くんと違って、何の能力者なのかすら未だにはっきりしていないんだからね」
早合点は良くないよ、と京が陸を優しく諭すように窘(たしな)める。
「そっ…か。うん、そうだよね」
陸はふと何か思い出したように動きを止めると、再び周の顔を降り仰いだ。
「父さん。俺、もう一つ訊きたいことがあったんだ」
「ん?」
「為来り好きの獅道に型破り好きの霊奈って、何のこと?」
(そうだったのか…要は、術者の力の使い方次第ってことだな)
「あの魔法は物凄く強力だから、無理矢理解こうとしたときの反動も強いんだ。だから俺に掛けられた制約は掛けた本人…架々見以外には外せなくなったんだし」
それを思うと、よくあの架々見が制約を外してくれたものだ。
陸と香也で京を迎え討つためとはいえ、陸の能力を解放するなんて――余程陸を逃がさない自信でもあったのか。
「でも陸、その論理だとまだ晴海ちゃんには父さんの封印が掛かったままで、今は反作用が起きてるってことになるよな?」
「うん…だから、父さんが一度完全に魔法を解除してくれれば晴は元に戻ると思ったんだけど………違うの?」
京の言葉に、陸は不安げな表情で周を見上げた。
周は京と顔を見合わせると、ひらひらと両手を振りながら肩を竦めた。
「ああ。もう彼女から俺の魔法の気配はしない。最早、何の片鱗も残っちゃいないよ」
「…!!じゃあ、晴はどうして…」
「何がどう作用してるかは、今は判断し難いな。元より、あの子の力が未知数過ぎるよ。お前や香也くんと違って、何の能力者なのかすら未だにはっきりしていないんだからね」
早合点は良くないよ、と京が陸を優しく諭すように窘(たしな)める。
「そっ…か。うん、そうだよね」
陸はふと何か思い出したように動きを止めると、再び周の顔を降り仰いだ。
「父さん。俺、もう一つ訊きたいことがあったんだ」
「ん?」
「為来り好きの獅道に型破り好きの霊奈って、何のこと?」


